他社電源ユニット動作確認-1

他社電源ユニット

動作確認

依 頼 内 容

某制御機器メーカーにて設計の電源ユニットにおいて、電源ユニットの『メインスイッチングの ON のタイミングがずれており、改善の必要がある。』が、マンパワーが足りず、弊社に電源動作の確認の依頼があった。

確 認 結 果

電源ユニットの特性/動作確認を行った結果、次の箇所について改善が必要と判断。

・クロスレギュレーションが仕様を満足していない。

・低入力時の OCP 動作ポイントが 110%でありバラつきを考慮した場合、改善が必要。

・動作周囲温度上限(70℃)から考えた場合に効率を上げる必要がある。

 ※全体的に損失を低減する必要があ。

・高入力 / 最小負荷時に間欠発振動作に入る。。

詳細

改 善 ポ イ ン ト

◆メインスイッチングの ON のタイミングについて

 ICの5PIN(ZCD 端子)の定数の見直し及びスナバ回路の見直しにより、ON タイミングの

 調整を行う。

◆クロスレギュレーションについて

 スイッチング OFF 時のヒゲの形でクロスレギュレーションは変化することから、トランス

 の巻線構造を見直し、トランス結合度を上げる必要があります。

 ※ここで言う結合度は、1 次‐2 次間及び、メイン出力‐サブ出力間の部分

◆OCP 動作ポイントについて

 低入力と高入力で動作ポイントが変化するのは一般的なことだが、本電源に搭載の制御用

 IC:L6565 では、過電流検出(4PIN:CS 端子)レベルを3PIN(VFF 端子)により調整

 できる。

 3PIN(VFF 端子)の分圧比の見直しにより低入力と高入力で OCP 動作ポイントの変化量

 を抑える事が可能。

 OCP の検出抵抗と併せて再調整を行う必要があります。

◆効率改善について

 現状、効率は定格入出力時において75%~76%であり、80%前後の改善は可能と考え

 ます。

 ※効率を80%前後にすることで、電源内の損失も2W 強の改善で熱損を抑える。

 ポイントとして

 ・メインスイッチングのゲートドライブ回路の見直しにより、スイッチング素子の損失改善

  を行う。

  ※特に、スイッチング素子の電流値が大きいことから接合容量の遅延による損失がある。

 ・メインスイッチングの ON タイミング改善。

 ・3PIN(VFF 端子)の分圧比の見直しにより、OCP の検出値を下げ、電流検出抵抗の

  損失改善を行う。

 ・トランス構造の見直しにより結合度の改善と2次側スナバ回路の見直しによりクロス

  レギュレーションの改善を行い、24V 出力のダミー抵抗の削減を行い効率と損失の

  改善を行う。

 ・トランス構造の見直しにより巻線線径のアップなどを行い、トランス損失を改善する。